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「どこで手術を受けたらいいか?」という質問をよく受けます
このところ「どこで手術を受けたらいいか?」の相談が続きましたので私見を述べます。
要点は2つ
- 不安や疑問があったらセカンドオピニオンをとること。(手術方法に違いはなく、どこでやっても大して差の無い手術が多い)
- どこでやっても同じなら家族の通いやすいところ。
セカンドオピニオンのお話
がんに対する外科の担当医の目標は、「がん細胞を取りきると同時に、なるべく機能は残すようにする。」ことになります。場合によっては相反するこの目標を実現するために、常に研究し挑戦し続けることが外科の担当医の使命といえます。この目標を達成できる人が外科の担当医の神様といえます。
「じゃあどこで手術を受ければいいの?」ということになりますが、手術に技術的に差がないのであれば、家族が通いやすいことのようです。どうしても判断がつかない場合は「他の先生に聞く」こと、つまり「セカンドオピニオンをとること」をお勧めします。
その場合よく「最初の先生が嫌がるんじゃないか?」とか「他の先生に聞きにいったら、もう最初の病院で手術を受けられないんじゃないか?」という質問をうけます。しかし、今の時代そんなことはありません。
不安なく手術を受けてもらうために意欲的にセカンドオピニオンをとるようにしている施設が増えています。とはいってもやはり「先生に嫌がられる」ことが心配な方は、「先生のところで手術を受けたいのでセカンドオピニオンをとってもいいですか?」とまずはたずねるようにお勧めします。
かかりつけ医(ホームドクター)と専門医
医学の進歩にともない、内科、外科、脳神経外科、整形外科などを中心に、より医療に従事する専門医の育成に重点がおかれています。
専門医制度が充実すると、医業の細分化、分業化がおこり、咳が出れば呼吸器内科、血圧が高ければ循環器内科・循環器外科、お腹が痛ければ消化器内科・消化器外科、血糖が高ければ内分泌科、などなど。。。。複数の病気を抱えるご高齢の方は、大病院内のたらいまわし状態になる可能性があります。そこで必要となるのが、何でも見てくれる、かかりつけ医(ホームドクター)です
かかりつけ医に必要な条件とはなんでしょうか?それには2つあります。1つは多科にわたる幅広い知識と、多くの経験をもつこと。2つめは精密検査や入院加療が必要な患者さんにあった医師へ紹介できることです。センター北に開業した現在、より良いかかりつけ医を目指し努力しなければなーと観覧車(クリニックから見える)に誓う今日この頃です。